二年と少しで終わります。

アニメと声優とmtgとアイマスが大半。

七草にちかに補助線を引こう

0.はじめに

七草にちか、SSRでゴリ押してWING優勝しました。

 

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七草にちか、アイドルになるために足りないものが多すぎないか?

この記事は同じく追加ユニットとして登場したストレイライトとノクチルを比較しながら(=補助線としながら)平凡で、平凡で、平凡なにちかが足りないものを明らかにしていく記事です。

1.ストレイライトという補助線‐自分じゃない誰かになること

七草にちかの憧れ、八雲なみ。

にちかは自身の平凡さを自覚しています。

だからこそ八雲なみのダンスを、やがてその人生までも演じることでアイドルを続けようと試みます。

 

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自分ではない誰かになる、このことはストレイライトのコンセプトの一つであり、冬優子も愛依も、自分を偽り架空の自分を演じることでアイドルとなります。

ですがそれはあくまで自分。

確かに自分を偽るのは手段でありますが、その手段を通じて自分を乗り越え自分を肯定するというシナリオとなっているのです。

一方にちかは自分のことを平凡だと否定しているため模倣という手段からなにかを得ることはできず、目的を達成しても達成感ではなく不安感に包まれてしまいます。

目的を重視するあまり、手段を積み重ねていく過程の中で本来得るべきだったものがないことがにちかの足りないものです。

 

誰かの模倣をする、これはあさひの役割です。

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あさひはモニターのダンスをコピーしたいということがきっかけでアイドルとなり、模倣することを通じてコミュも進みます。

モニターから感じるキラキラを知りたい、そのためにあさひはダンスのコピーを試みます。

興味深いことに、にちかと同じく手段として模倣を行っています。

にちかと違うのはそのキラキラを過程の中に見出だしたところにあります。

目的に到達することが何よりの優先すべきことであるにちかとは違って、あさひは「楽しめればいい」というスタンスのため平気で手段と目的を平気で入れ替えます。

過程を楽しめないにちかは決してあさひにはなれず、過程を楽しめないからこそあさひのように完璧な模倣を行うことはできないではないでしょうか。

 

2.ノクチルという補助線‐プロデューサーによって生まれる共通点

にちかはアイドルとなることが至上目的であり、その為ならどんなことやってのける危うさがあります。

一方ノクチルにとって一番大事なのは4人で活動することで、アイドルはあくまで手段です。

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意にそぐわないことならトップアイドルになるチャンスも不意にします。

アイドルを目的とするにちかとアイドルを手段とするノクチルは当然真逆の存在に見えますが、プロデューサーの理解外という一点においては一致しています。

プロデューサーが目指すのは担当アイドルをトップアイドルに導くこと、そしてそのために彼女たちが持つ個性を伸ばそうとしています。

なのでプロデューサーはトップアイドルを目標としないノクチルのことを理解できませんし、アイドルになることを重視するあまり自身の個性を否定するにちかのことも同様に理解できません。

ノクチルはプロデューサーの目的を否定し、にちかはプロデューサーの手段を否定する。

真反対であるはずの彼女たちがプロデューサーを挟むことで似通った存在になることは非常に興味深いことではあります。

 

とはいえノクチルがプロデューサーの理解の外にあったのは初期のころのみで、ストーリーを進める上で彼女の思いを組みながらアイドルとしてのプロデュースを進めています。

それはアイドルたちとプロデューサーが歩み寄ってきたからかもしれませんし、他のアイドル同士の交流のお陰からかもしれません。

真逆の存在でありながらも似通った部分もあるノクチルが、アイドルとして成長していく様子はにちかが足りないものをどうやって補うのかを示してくれるのかもしれません。

 

3.最後に‐線を引き「部屋」を描こう

 

『明るい部屋』では社長の過去、にちかの思いと比較する形ではづきの思いなどが取り上げられているものの、メインであるはずのアイドルたちの交流についてはあまり語られてはいません。

アイドルたちは交流の中で互いを影響しあいながら一つの調和を作り出します。

その後夏葉はにちかとはづきの父親の部屋だった一室を「世界」と表現し、物語は終わります。

アイドルたちが作り出した「調和」とは、この世界を表現したものだと僕は考えています。

 

アイドルマスターに限った話ではありませんがパフォーマンスで評価されているのは表現によって生み出される世界観です。

この「世界観」と呼ばれるものはあいまいな概念のため、作品によって具体的に何なのかは違いますし当然答えも一つではありません。

ですがシャイニーカラーズでは答えの一つとして、未来を含めた人の思いを時間、人と人との関係によって生まれる感情を空間とし二つ合わせて世界と表しました。

にちかは足りていないものとは、過程を重視しないことから積み重ねていった時間と、ファンやアイドルといった誰かとの関係ではないでしょうか。

ですが彼女は未来という時間を掴み取りました。

そして283プロというつながりの中で空間を広げていくことができます。

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時間と空間、にちかがアイドルたちと縁という線を引き、足りないものを拾い上げてくれることを期待しています。