世のガンダムおじさんたちが「水星の魔女、ガンダムらしくなってきたな」と後方彼氏ヅラしていますが、水星の魔女からガンダムを見始めたライト層はなぜ彼氏ヅラしているのかわからないかと思います。
また水星の魔女はさまざまなガンダム作品のオマージュが散見されます。
ちょうど今日は総集編ということなので、プロローグから振り返りオマージュ元をまとめてみようと思います。
ネタバレありなので気をつけてください。
また抜けているのあれば補足ください。
元ネタ:「機動戦士ガンダム」スペースノイドとアースノイドなど
地球サイドと宇宙サイドとの対立はガンダムシリーズ全般でよく見られる構図では有ります。
ただしこれまでは地球側が体制側だったのに対し「水星の魔女」では宇宙側が体制側であるのがこれまでとは大きく異なります。
水星の魔女は「お約束」を踏まえ「ガンダムらしさ」を保ちつつ、少し変えることで個性化も図っています。
・GUND-ARM
元ネタ;「起動武闘伝Gガンダム」モビルトレースシステム、「機動戦士ガンダムサンダーボルト」リユース・サイコ・デバイス、「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」阿頼耶識システム
色々なネタの合わせ技。
「自分の動いたとおりにMSが動く!」という考えの元祖はGガンダムですが、それじゃ強すぎるから四肢がないやつだけ使えるようにしたろ!としたのがリユース・サイコ・デバイスです。
元々義手や義足のシステムだったことや、シーズン1が終わった後に「サンターボルト」が放送されることを考えるとこっちの方が元ネタ度は高そう。
またシステムを使い過ぎると脳に負担がかかるというのは阿頼耶識システムを彷彿させます。
ミカは代償に身体の自由を奪われましたがエリクトは…?
・子供がMSを動かす
元ネタ:だいたい全部
例外の方が少ない。
・ビットシールド
元ネタ:「機動戦士ガンダム」ビットシステムなど
無線技術で小型機械を操り、全方向オールレンジで攻撃を行うシステム。
これまでとは全く異なる攻撃方法とそのインチキっぽさから絶大な人気を誇っています。
何も考えず「ファンネル」と言ったら原理主義おじさんに襲われます。
気をつけましょう。
・アスティカシア高等専門学校
元ネタ:「機動戦士ガンダムビルドシリーズ」?
「ガンダムで学園ものをしよう!」というのが今作最大の目玉であり独自性です。
「ガンプラで部活&学園ものをしよう!」としたビルドシリーズもありましたがあくまで外伝作品的な立ち位置。
学園という箱庭で「水星の魔女」の世界を描き出し、動かすのかが見どころさんになります。
・決闘
ミオリネ≒世界の覇権を1対1の戦いで代用するという考えはどことなくガンダムファイトに通ずるところがあります。
企業間の代理戦争をしているわけですね。
アスティカシア周りの舞台設定は、「おままごと」感を強く感じます。
特に顕著なのはスレッタの「進めば2つ」という考えですね。
「死ねば何も得られないのよ!」と言ってスレッタが突っ走るのを止めるシーンとかありそう。
シーズン2では学園を離れるかと思うのですが、学園というヴェールが剥がされた「本物の戦争」が見られるのかもしれません。
・主人公に喧嘩を売り直後にボコられる男
元ネタ:「機動戦士ガンダム00」パシフィック・コーラサワー、「機動戦士Zガンダム」ジェリド・メサ
なんとも不名誉な元ネタですが、同時に愛されキャラでもあります。
グエルくんもその例に漏れず既に愛されキャラとなっていますね。
第一話では主人公を破滅に導く一因にもなったジェリドコースも危惧されましたが、回を追うごとに勝負に対する真面目さと謎の生存力を見せてくれ(今のところ)コーラサワールートに行ってくれそうです。
不安点もないわけではないですが。
・前髪をイジる青髪の弟
ナルシストって感じはしませんが、ガルマを彷彿とさせる仕草と家の繁栄を第一とする生真面目さはガルマっぽさを感じます。
小物感が凄いので舐められがちですが彼は良いやつなんですよ…坊やなんですが。
・仮面の女
そんな坊やを謀殺したガンダムシリーズNo.1人気キャラであるシャア・アズナブルさんですが、その人気っぷりからその後仮面だったりマスクだったりで素顔を隠すキャラを出すことがガンダム界の伝統となりました。
ですがここは水星の魔女。
いつもなら「男」でするところを「女」へと変えることで個性化を図っています。
・「私がサポートするから」
元ネタ:「機動戦士ガンダムビルドファイターズ」
ガンダムおじさんから「それはこじつけやろ」と言われそうですが待ってください。
ガンプラを操作するレイジくんの髪の色は?そうスレッタと同じく赤髪ですよね?
そうつまりビルドファイターズのように決闘ではスレッタとミオリネのバディが見れるんですよ!!
…そう思っていた時期が僕にもありました。
・被検体四号
「ムラサメ」研究所の「四番目」の強化人間だからフォウ・ムラサメ。
人権を無視した形で身体機能を強化した人間が主人公と心を通わせ、しかしすれ違いによって対立し和解するも非業の死を遂げるというパターンまで一緒です。
まぁエランくん(仮)が本当に死んだかわからないですが。
所謂「強化人間枠」ということでガンダム作品のお約束みたいな感じです。
ガンダムらしくなったな(後方彼氏ヅラ)。
元ネタ:「機動戦士ガンダムUC」ユニコーン・ガンダムなど?
実はOP「祝福」の原作小説という形でエアリアルには意思があることは明言されていました。
多分総集編はエアリアル視点にしてアニメだけ追っかけている視聴者にも開示するのかなーとは思っています。
さてエアリアルの意思についてですが、実はエリクトでは?という考察がされています。
もちろんエアリアルの意思が自然発生的に誕生したと考えることもできますが、プロローグが21年前とエレッタとエリクトの年齢が一致しないことからエアリアルにエリクトの意志が入っていると考える説が有力です。
さて「ガンダム」ではしばしば人の意志を力として現実に作用させることがあります(例えばZガンダム)。
そしてその行き着く先の一つがユニコーンガンダムで起きた操縦者が機体に吸収されるという現象でしょう。
そのようなことは新時代の人類、ニュータイプとともに語られることがありますが、前記事で話した通りGUND-FORMATとニュータイプは真反対のアプローチにも関わらずその目的は共通しています。
そういった意味でもガンダムが少女の意志をどのように現実に反映させるのでしょうか。
ガンダムとして、人の意志、選択の結末を見届けたいと思います。