『空の青さを知る人よ』見てきました。
ネタバレしない程度の感想としては、「お前らは短髪女子に親でも殺されたのか」と思うくらいまた短髪女子がフラれていました。
俺は悲しい。
そんなことより、物語の導入として町おこしとしてご当地ソングを作ってもらおう!というものがありました。
直前に先輩と「町おこしに音楽はつかえる!」という話をしていたので、本題に結びつかないけど個人的には興味深かった所なので、つらつらと考えたことを垂れ流します。
ネタバレはなしの方向でしていますが、あまり配慮はしていないのでご注意を。
町おこしのリスクから考えるライブのメリット
ライブ部でざっと調べたところ、東京、神奈川、大阪、愛知を除いた地域で800人~2000人規模を収容できる会場は556会場ありました。
僕が良く行く声優のライブツアーは大体500~20000人規模の会場で行うことが多く、そのライブツアーで使える箱が地方には少なくとも550以上あるということになります。
いわゆるポピュラーミュージックと呼ばれる音楽を演奏するアーティストや歌手はたくさんいますが、演奏に必要なものはほとんど変わりません。
ギター、ベース、ドラム、マイク、それを会場に響かせる音響機材…もちろん会場や演者によって全く同様というわけにはいきませんが、会場を立て替えないといけないほど大きくは変わりません。
会場側にとっては殆ど特別なことをすることがないということは、トラブルを避けることに繋がります。
サクラクエストの遊園地を思い出して欲しいのですが、さあ町おこしだとどでかい箱やゆるキャラぬいぐるみ作ったら、コケた時の経済的損失は計り知れないものです。
そしてなにより「負の遺産」として町民からは見られあきらめムードを作り出す原因になってしまいます。
それを回避するためにも既存の建物を使え、かつ数百~千人規模を呼び込める音楽が町おこしと結び付けられています。
「ライブは生もの」であることのメリット
町おこしにとって、もう一つ大事なことは定期的にライブを行ってくれるということです。
ライブの演奏は、基本的に一回きりのものであり、そっくりそのまま再現することはできません。例えセットリストが同じだとしても違うものとして演者も観客も捉えられます。
これは会場を貸している側から見れば、「同じ人に貸しているのに、違う演目が公開され続けている」と捉えることもできます。
これは会場側にとって非常に大きなメリットです。
毎回新しく企画を立ち上げなくても毎回定期的に同じライブを開けば「何かが違う」ということだけで観客は何度もその地に訪れるからです。
観客は当然その周辺にもお金を落としてくれるので経済効果は大きなものになるでしょう。
もちろん交通の便の悪さから都内と比較して集客率が高くはなる可能性は低いため、地方会場に誘致することは容易くありません。
しかし都内で2時間ちょっとの所ならラブライブ!やガルパンや、そしてあの花の「聖地巡礼」をしている人を見て(あるいは実際にして)わかる通りファンは来ます。
そして2020年がいよいよ目前に近づき都内の大規模な会場は殆ど使用不可能になります。
そうなれば都内の大規模ホールコンサートより地方ツアーを行うアーティストがこれから増えてくることは十分考えられます。
地方にアーティストを呼び込む追い風が吹きつつあるのです。
これを踏まえて秩父に演歌歌手を呼びご当地ソングまで作ってもらうということを見れば、比較的低リスクで継続的に観光客を呼び込もうとする市側の魂胆がイヤに生々しく見ることができます。
町おこしからあおいの心情を考える
劇中のシーンでも何度もありますが、町おこしの裏事情を間近で見れるところにあおいは居ました。
東京に出て音楽でスターになるんだ!と意気込んでいるあおいにとっては、町おこしの道具としてしか音楽を見ていない大人たちは空虚なものに見えたのかもしれません。
しかしあおいはおそらく怒ってはいないのでしょう。
詳しくはネタバレになるので話せませんが、町おこしをあおいと置き換え、あおいと音楽の関係性を見つめなおした時に、あおいの心情により入り込めるかもしれません。
そんなところで続きはネタバレしてもいいかなって感じになったときに。